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講座担当教授挨拶

東京慈恵会医科大学 内科学講座 呼吸器内科

診療部長・講座担当教授

荒屋 潤

この度、桑野和善教授の後任として、2023年4月から東京慈恵会医科大学内科学講座 呼吸器内科を担当することとなりました荒屋潤と申します。

当教室は、2007年に桑野和善先生が初代主任教授として着任し、教室の基礎を築かれた比較的若い医局ですが、現在90名近くの医局員数を誇り、女性医局員も多数在籍しております。また、同門会の会員数は約165名と医局としての規模とネットワークも充実してまいりました。このような 今まさに勢いのある教室を任され、身の引き締まる思いでおります。

私は富山大学(旧富山医科薬科大学)に入学し、空手部に所属しながら、授業よりももっぱら悪友たちとの遊びに熱中し、試験直前に回ってくる授業のコピーを何とか手に入れて試験をしのぐといった不真面目な学生でした。それでもなぜか一つも試験にも落ちなかったのが妙な自慢でありました。

卒業後は糖尿病を専門にと思い同大学の第一内科に入局しましたが、教授に“君は体格がいいから、呼吸器をやりなさい“と申しつけられたのが私の呼吸器内科医としてのスタートだったのです。実際に呼吸器疾患は急変が多く体力勝負の日々でした。体力だけは自信があった私は、最初は仕方なく病院に泊まり込んでいましたが、どんどん仕事にのめり込んでいくようになりました。当時の教授の不思議な采配に今となっては感謝しております。

 

 成人呼吸器疾患の多くは加齢関連疾患であり、高齢化社会の到来は患者数の増加を意味します。また2019年末から始まったCOVID-19のパンデミックを前にはなすすべもなく、ほとんどの感染症は制御できていると思っていた我々の考えが全くの思い上がりであったことを知らしめました。今後もこのような新興呼吸器感染症を含め、呼吸器疾患の診療・研究はさらに重要性を増していくと言えます。

 

当教室では基礎的研究による病態解明から、それを応用した新規治療法の開発、また独自の臨床研究に加え、臨床試験や多施設共同研究にも積極的に参加しております。海外の研究施設への留学も盛んに行っております。医療の発展に科学的に貢献することは、大学の教室としての使命であると考えています。

しかし、いかに高度な知識を持っていても患者様に寄りそった全人的な医療を行うことができなければ意味はありません。我々医療人の最終目標は、患者様に最高水準の医療を “安心・安全・安楽”に受けていただき、ご満足いただくことです。そのためにも現場で即戦力になりうる優秀な呼吸器内科医の育成、ひいては次世代の医療を担う医学生の教育にも力を注いでおります。

今後も我々は病に対し真摯に向き合い、医療の発展に貢献できるサイエンスマインドをもった呼吸器内科医たりうるために努力していく所存です。

​略歴

平成6年 3月

富山医科薬科大学卒業(現富山大学)

平成6年 5月

富山医科薬科大学 第一内科入局

平成8年 4月

栃木県佐野厚生総合病院 内科 研修医

平成9年 4月

大阪府立羽曳野病院 呼吸器科 研修医

平成10年 4月

富山医科薬科大学医学部 博士課程入学

平成14年 4月

埼玉県立循環器呼吸器病センター 病理部 研修生

平成15年 4月

済生会高岡病院 内科 医長

平成16年 4月

カリフォルニア大学サンフランシスコ校 病理科 研究員

平成19年11月

東京慈恵会医科大学呼吸器内科 助教

平成21年3月

東京慈恵会医科大学呼吸器内科 講師

平成26年4月

東京慈恵会医科大学呼吸器内科 准教授

令和2年2月

東京慈恵会医科大学呼吸器内科 教授

令和5年4月

東京慈恵会医科大学呼吸器内科 講座担当教授

賞罰

平成17年

Keystone Symposium,Scholarship

平成19年

The American Lung Association of California, Junior Research Training Fellowship

平成20年

東京呼吸病態研究会 研究奨励賞

平成 21年

上原記念生命科学財団 研究奨励金

武田科学振興財団 医学系研究奨励金

平成23年

臨床呼吸生理研究会 研究奨励賞

平成24年

東京呼吸病態研究会 研究奨励賞

平成26年

公益信託 岡本敏記念肺線維症研究基金 研究助成金

平成31年

第59回日本呼吸器学会 学術部会賞 優秀賞

令和元年

上原記念生命科学財団 研究助成金

令和2年

日本呼吸器学会熊谷賞

令和3年

公益財団法人 日本呼吸器財団 研究助成

学会

日本内科学会、日本呼吸器学会、日本アレルギー学会、日本気管支内視鏡学会

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